Prot.No.SC-JP25-5
2026年2月9日

抗議声明:東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機再稼働について

 2026年1月21日19:00、東京電力は、821万2000kWという世界最大の出力量の柏崎刈羽原子力発電所の6号機を、東日本大震災によって発生した東京電力福島第一原発事故を契機に停止して以来、14年ぶりの再稼働に踏み切りました。新潟県は、花角英世知事が「脱原発の社会をめざす」「県民の信を問う」という公約に背き、また県内有権者の12人に1人に当たる14万3,196筆の署名によって示された、再稼働の是非を問う県民投票実施の強い意思を反故にし、再稼働に同意しました。
 日本カトリック正義と平和協議会は以下の理由から、稼働を決定した東京電力、日本政府に厳しく抗議し、6号機再稼働の断念を求めます。

原子力規制委員会は、2017年、柏崎刈羽原発6、7号機を規制基準適合と判断したものの、「安全を保証するものではない」と言明しています。規制基準適合は稼働可能とする最低条件に過ぎず、この言明を看過してはなりません。
安全な避難経路を確保しないままの再稼働は、住民の切り捨てと言うべき暴挙です。とりわけ雪国新潟で冬季に事故が発生すれば、避難は困難を極めることになります。
度重なる制御棒トラブルから、東京電力の杜撰な管理は明らかです。制御棒は原子炉本体の核分裂を制御する極めて重要な装置であるにもかかわらず、昨年6月以来繰り返しトラブルが発生しています。そればかりか、6号機運転開始の1996年からの根本的な設定ミスがあったと指摘されています。
柏崎刈羽原発を所有する東京電力が、2011年3月の東日本大震災でレベル7の過酷事故を引き起こした福島第一原発の所有者、事故の最終責任者であることは、いくら強調してもしすぎることはありません。事故時に発せられた「原子力緊急事態宣言」は15年経った現在も継続中です。事故原因の解明も道半ばであり、終息の見通しはついていません。事故に対する賠償は、被害者に納得がいくものに到底なっていません。東京電力は、廃炉作業と賠償に全力を注ぐべきであり、新たな原発の再稼働などあり得ることではありません。また、作られた電気は、計り知れないリスクを負う原発立地住民自身が使うものではなく、東京とその周辺に送られるものであることも、忘れてはなりません。

 原子力発電とは社会の支配層、大量にエネルギーを消費する大都市が、発電所の立地住民に犠牲を強い、搾取する、差別構造の上にあることに疑いの余地はありません。同時に、原発は燃料生産、発電、廃棄物処理の全ての行程において放射性物質と不可分の関係にあり、広域に、長期にわたり地球環境を汚染します。近年、原発事故の記憶の風化も進み、気候変動危機が高まる中、原発回帰の流れが世界的に生まれています。人間の尊厳を侵し生態系を破壊する不正義の技術が、持続可能なエネルギーであるはずはありません。原子力発電はただちに廃絶されなければなりません。

日本カトリック正義と平和協議会
担当司教 エドガル・ガクタン