声明文「沖縄慰霊の日にあたり」

日本カトリック正義と平和協議会は、戦争の引き金となるあらゆる軍拡競争、核兵器の開発と保有に反対し、とりわけ、沖縄戦での犠牲者の霊を慰め世界の恒久平和を願う日とされる本日6月23日、日本政府に向け、南西諸島を危険に陥れる長射程ミサイル配備を、直ちに中止することを求めます。

今からちょうど60年前の1963年4月11日、教皇ヨハネ二十三世は回勅『パーチェム・イン・テリス−地上の平和』を発表し、以下のように述べました。

「すべての人が理解しなければならないのは、軍備縮小の過程が、人間の心にまで及ぶ徹底した完全なものでなければ、軍事力増強の停止、軍備の削減、さらにその全廃は実現しません。人々の心の中から戦争勃発の予感に対する恐れと不安を払拭するために、すべての人は心から協力し、努力しなければなりません。軍備の均衡が平和の条件であるという理解を、真の平和は相互の信頼の上にしか構築できないという原則に置き換える必要があります」(61)

ところが日本政府は、2022年12月16日、「反撃(敵基地攻撃)能力」の保有を明記する、いわゆる「安全保障」3文書を閣議決定し、2023年3月28日には、6兆7880億円という過去最高の軍事予算を成立させました。この背景には、台湾をめぐる米中間の深刻な対立が指摘されています。しかし同時に、日米同盟下のこうした軍拡政策自体が、中国を強く刺激していることも間違いありません。万が一、米中の武力衝突が起きれば、2015年に成立した安全保障関連法によって、日本はその戦争に巻き込まれていくことになるでしょう。その時、最初に標的とされるのは、現在長射程ミサイルの配備が進む南西諸島の島々に他なりません。そうなれば、小さな島はたちまち焦土と化し、島に住む人々が、直ちに島外に避難することは、不可能です。

戦争は、緊張を煽ることで回避されうるものでしょうか。むしろ戦争は、緊張が高まり、ある一線を越えた時、始まるのではないのでしょうか。その時日本政府は、かつての沖縄戦のように、南西諸島の人々を犠牲にして他の人が助かれば、それでいいと考えているのでしょうか。しかしその時、日本が「反撃(敵基地攻撃)能力」を行使し、敵国をミサイルで攻撃をすれば、核による世界戦争への引き金になりかねないことは、現在継続するロシア・ウクライナ戦争の状況を見れば明らかです。

今、日本が本当にしなければならないことは、「抑止」と言いながら軍事力を高めることではありません。私たちは、日本政府が、国家間の緊張が戦争に発展しうる現代世界の状況を見据え、日本国憲法前文、および第9条に従い、決して戦争をしないという決意のもと、そのための外交努力、軍備縮小、核兵器廃絶の努力を重ねるよう、強く求めます。

2023年6月23日

日本カトリック正義と平和協議会 会長 ウェイン・バーント司教

日本カトリック正義と平和協議会 担当司教 エドガル・ガクタン司教

日本カトリック正義と平和協議会 一同

 

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