1988年10月5日
宣教師在留許可について(要請)
法務大臣 林田悠紀夫様
1988年7月20日、貴大臣に宛て「宣教師の在留不許可についてのご質問」を提出いたしましたところ、同年8月5日、法務省入国管理局警備課長町田幸雄氏よりご返書をいただきました。
私どもは、外国人宣教師の不法残留扱いというこの問題において問われているのは、日本の差別問題を良心的不服従という行動で訴えた外国人宣教師に対して、国際化を掲げる日本の政府がどのような人権意識をもってのぞむのかだと理解しております。町田課長のご説明は、強制退去事由に該当する場合の強制退去手続きについてでしたが、問題の次元が異なります。
私どもは、6月一日より施行されました「改正法」及びその付帯決議の精神からすれば、マクシム・ドビオン、ヘスス・アルフォンソ・ガレロン、ビセンテ・ボネットの宣教師が在留不許可にされるべきではなかったと信じます。
したがいまして、「改正法」施行以前に入国管理局が行った上記宣教師の不法残留扱いを、貴大臣の裁量権によって元の状況にもどし、従来通り宣教師として在留を許可されますよう要請いたします。
日本カトリック司教協議会 社会司教委員会
委員長 白柳誠一