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Q.1 そもそも「カトリック正義と平和協議会」って何ですか? なぜこのような部署が教会の中にあるのですか?

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A. ベトナム戦争最中の1967年3月、教皇パウロ六世が、回勅『ポプロールム・プログレッシオ-諸民族の進歩推進について』を通して、全世界のカトリック教会に呼びかけたことがそもそもの始まりです。教皇はそこで「貧しさに苦しむ人々の訴えを聞き、互いに助け合い、皆が兄弟姉妹として世界的連帯性をもつように」(5)との望みを示し、教皇庁に一つの新しい委員会を誕生させました。その目的は、教会全体が、正義と平和ヘの奉仕に献身することにあり「人間個人の十分な進歩と人類全体共同の進歩のために助け合って働く」(同上)ことでした。
その前提にあるのが、第二バチカン公会議(1963~65)です。この会議で採択された『現代世界憲章』(1965年12月7日採択)には、「人類の大部分をいまだに苦しめている多くの艱難にかんがみ、また、いずこにおいても貧しい人々に対して正義とともにキリストの愛を奨励するために、全教会の一つの機関を設立して、貧しい地域の開発と諸国家の間における社会正義を推進するようカトリツク共同体を激励する役目を与えることは、もっとも時宜を得たことであると考える」(90)という希望が表明されています。教会が社会に対する使命を積極的に自覚し、これに対して行動を起こす決意をしたことが、この公会議の重要な意義の一つでした。
こうして出発した教皇庁正義と平和委員会は、各国の司教会議にそれぞれの正義と平和委員会を設立することを要請しました。
日本においても1970年に「正義と平和司教委員会」(委員長:白柳誠一大司教)が発足しました。この年から教皇が元旦に「平和の日」メッセージを発表するようになりました。日本司教団・正義と平和委員会(当時の公式名称)も、声明「現代に平和を」を発表して、信徒の自主団体として福音に基づいた正義と平和の促進につとめることを目的に活動を開始しました。
1974年に、この委員会は日本カトリツク司教協議会の組織改正にともない「日本カトリック正義と平和協議会」と改称し、新たに発足した社会司教委員会のもとに活動を続けることになりました(担当司教:相馬信夫司教)。それ以来、日本カトリック正義と平和協議会は、社会正義、基本的人権、進歩、平和などの社会問題についての意識化と啓発、具体的問題ヘの取リ組みを通して体験的意識を深めるために活動してきました。
1974年以降、各司教区や修道会などに設立された「正義と平和委員会」は、福音のメッセージに促されて国内外の兄弟姉妹と連帯しながら、地域ごとの要請に応え、活動範囲を広げるようになりました。設立の趣旨に基づいて、抑圧する人も、される人もいない世界の実現を目指して「正義を行い、慈しみを愛し、へりくだって神とともに歩む」(ミカ6・8)教会のメンバーとして、キリスト教諸団体、市民運動グループ、諸外国の教会との連携を保ちながら活動するようになりました。
担当の相馬司教は、正義と平和協議会の指針を「日本においても、正義のための努力が聖霊の働きによって平和をもたらし、社会の真の改革が必ず実現するとの希望をもって、謙虚な態度で歩み続けていきたい」(cf JP.1 クリアファイル)としました。そのように、カトリック教会が、社会の良心の声となる使命を果たすために微力を尽くしているのが日本カトリック正義と平和協議会、およびネットワークを結び合う各地の「正義と平和」をめざして働く教会の組織です。

『なぜ教会は社会問題に関わるのかQ and A』👉 Q-1

参考文献
教皇パウロ六世回勅『ポプロールム・プログレッシオ-諸民族の進歩推進について-』(中央出版社 1967.7)
第二バチカン公会議『現代世界憲章』(カトリック中央協議会2014.2)

TEL 03-5632-4444 受付時間 9:00 - 17:00 [ 土・日・祝日除く ]

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