A 第二バチカン公会議『現代世界憲章』(1965年12月7日採択)の序文には、次のように書かれています。
「現代人の喜びと希望、悲しみと苦しみ、特に、貧しい人びととすべての苦しんでいる人びとのものは、キリストの弟子たちの喜びと希望、悲しみと苦しみでもある。真に人間的な事がらで、キリストの弟子たちの心に反響を呼び起こさないものは一つもない」
この精神に則り、1970年、日本でも「正義と平和司教委員会(のちの正義と平和協議会)」が生まれました。以来、正義と平和協議会は、福音的な価値に反する問題があれば、社会や政治権力に向かって、時に厳しい批判と抗議も行ってきました。
たしかに、それらの個々の行動選択において、特定の政党(野党)に共鳴する点が少なくはありませんでした。政治権力に対し批判を行う場合、その対抗勢力である野党の言葉は、私たちにとって、時に助けとなるものではあったからです。しかしそれはあくまでも福音的な価値に基づき、神のみ心になかった世界をつくるためであり、特定の政党が政権につくための権力闘争に加担するためでは、けっしてありませんでした。
むしろ、福音的な価値に照らして正しければ、誰が言ったことであっても賛同し、間違っていれば誰が言ったことであってもそれに与しない、そのような勇気ある自立した立場にたつことこそ重要であると、正義と平和協議会は考えます。
『なぜ教会は社会問題に関わるのかQ and A』👉 Q-12~14, Q-17
参考文献
第二バチカン公会議『現代世界憲章』(カトリック中央協議会2014.2)