主の御降誕を祝し、基地のない平和な世界を祈ります(2018.12.25)

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主の御降誕を祝し、基地のない平和な世界を祈ります

主の御降誕、おめでとうございます。

降誕祭は、暗い闇のなかで待ち望んだ光が一筋さす時です。

待降節のさなかの12月14日、沖縄県で、辺野古新基地建設のための大浦湾土砂投入が開始されました。またそれと同じ日、高江でも、ヘリパッド工事が突然再開されました。

辺野古土砂投入は、仲井真弘多元知事県政時代に承認されてしまいましたが、2018年7月27日、翁長雄志前沖縄県知事が承認撤回を決め、その10日後、翁長前知事は惜しくも帰らぬ人となられました。そして、県はこの決定を受け、8月31日、埋め立て承認を撤回。「辺野古に基地は造らせない。沖縄に基地はいらない」という沖縄県民の思いは、9月に行われた沖縄県知事選で、「基地のない沖縄」の実現を公約に掲げる玉城デニー現知事が圧勝したことによって、はっきりと示されました。

こうした沖縄の民意に反して始まった、基地建設にかかわる一連の工事は、沖縄の豊かな自然を破壊し、日本国憲法が保障する、民主主義、地方自治の権利を奪うものです。基地ができれば、小さな子どもたちまでが、昼夜を問わない戦闘機の爆音、墜落・器物落下事故に苦しめられ、有事の際には最初の標的となり、平和的生存権が奪われます。沖縄をはじめとする南西諸島に基地を配備することは、北東アジアの周辺諸国に不要な警戒心を与えます。

この辺野古新基地建設工事をとめようと、ハワイ在住の沖縄県系4世のロバート梶原さんがホワイトハウスの請願サイト「We the People」をつかってインターネット署名をはじめ、開始からわずか10日後の18日、目標の10万筆を超えました。20日正午現在、署名は137,336筆にのぼっています。署名は、ホワイトハウスに対して実質的な効力を持つとともに、わたしたちの沖縄への連帯の輪の広がりを示す、希望のしるしです。

みなさん、どうぞ、ホワイトハウスの請願サイト「We the People」” Stop the landfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa”の署名にご協力ください。

闇にさす一筋の光が、やがて世界の隅々にまで広がるように、理不尽が克服され、戦争も基地もない平和な世界がきっと実現すると信じ、そのためにともに力をつくすことを、わたしたち日本カトリック正義と平和協議会は、みなさんに呼びかけます。

将来を担う全ての子どもたちが、どこに生まれても、安心してすくすくと成長していくことのできる世界の実現を、今日お生まれになった、神の御子イエス様を祝して、心から祈ります。

日本カトリック正義と平和協議会

会長 勝谷太治