Prot. JP-d 17-1

2017年1月24日

内閣総理大臣 安倍晋三 様

文部科学大臣 松野博一 様

復興大臣   今村雅弘 様

防衛大臣   稲田朋美 様

 

日本カトリック正義と平和協議会

カトリック憲法20条の会 会長代行

大倉一美 神父

 

信教の自由を守ってください–日本国憲法を遵守してください

2016年12月28日、今村雅弘復興大臣が靖国神社を参拝し、翌29日には稲田朋美防衛大臣が靖国神社昇殿参拝を行いました。この靖国神社参拝は、たとえ身分を「一国民」・「一私人」としようと、国務大臣の肩書でマスコミに報道させるなど、公人としての参拝と判断せざるを得ません。これは日本国憲法第20条1項「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」、同条3項「国及びその機関はいかなる宗教活動をしてはならない」に抵触する憲法違反です。

また、安倍首相は、今年1月5日、閣僚と共に伊勢神宮を参拝しました。もちろん伊勢神宮参拝も、これまで多くの首相がしている慣例行事だからと許されるものではありません。一宗教法人にすぎない「伊勢神宮」を国家の基本宗教であるかのごとく記者会見をし、内外にアピールしたのは、明らかに特定の宗教への肩入れであって、憲法20条1項、3項に違反すると指摘せざるを得ません。

私たちには、国が守るべき最高法規として、1947年5月3日施行の日本国憲法があり、今年は施行後70周年となります。その第99条では、天皇、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員に「憲法尊重、擁護する義務」を課しています。

しかるに、安倍首相を始め、閣僚、関係公務員、国会議員らはこの基本をないがしろにし、憲法条項、具体的には憲法20条の定めを無視した行為を行っていると言わざるを得ません。

私たちカトリック教会は あのアジア太平洋戦争中、特定宗教国家神道を強制され、戦争協力をした過去を有しています。信教の自由、政教分離を明記した憲法20条の遵守は特別に大切なことと考えています。首相、閣僚らの憲法20条違反を容認することはできません。首相、閣僚らが靖国神社、伊勢神宮、護国神社等へ参拝し、特定の宗教への関与を繰り返すことが無いよう、強く申し入れます。    以上