1981年3月12日
要望書
―当用漢字に関して―

第14期国語審議会
福島慎太郎殿

私ども、日本カトリック正義と平和協議会は、社会正義と世界平和の実現をめざして、ささやかな活動を続けて参りました。
さて、私どもは貴審議会が近く答申を予定されている常用漢字表(1945字)に 様々な問題点が含まれていると考えております。
特に、昨年の中間答申後に当用漢字から削除されていた19字が復活し、その中に天皇ご自身も使っていない「咲」の字が含まれていること、また、帥、奴、隷、さらに曹、偵、搭などの軍隊用語等、平和と人権を基本理念とする新憲法の精神に反し、軍国主義の復活の憂慮と危惧を感じさせるものが多く含まれています。
このような偏った政治的傾向を教育の場に持ち込むことは、厳に慎むべきものであると考えます。
私どもは、貴審議会が答申内容にさらに多くの人々の意見を取り入れることを求め、より一層の慎重審議を行うために、答申期日を延期されることを求めます。

日本カトリック正義と平和協議会