1987年6月18日

要望書

法務大臣
遠藤要様

日本のカトリック教会の宣教師であるビセンテ・ボネット神父は、指紋押捺拒否を理由に、東京入国管理局より、本年6月14日に在留期間を過ぎたので「退去強制手続及び処罰の対象となる」旨通知を受けました。
同神父は、自分の良心に従い、差別されている人々のがわに身をおき、かれらとともに生きるには指紋押捺拒否をする以外にないと判断しました。
私どもは、現外国人登録法が改正を要するものであるとの判断から、貴職に対してこれまでもその改正を要望してまいりましたが、カトリック教会の信者に指紋押捺拒否をせよと申したことはありません。指紋押捺をするかどうかは、個々人の良心の自由に委ねられるべきことであるとの見解を表明しています。
そして、私どもは、良心の自由が基本的人権に属し、たとえ国家であってもそれを侵害することは許されないと考えます。
日本の政府が、国内外の声にこたえて、外国人登録法の改正に取り組んでおられるのは喜ばしいことですが、良心的拒否者に対しても同様に前向きの姿勢を示され、一日も早く同神父の在留期間の更新を行っていただけますよう心から要望いたします。

日本カトリック司教協議会 社会司教委員会
委員長 白柳誠一