1989年11月9日

天皇の即位の儀式における政教分離に関する要望書
内閣総理大臣
海部俊樹様

日本カトリック司教協議会
常任司教委員会

最近、国民の関心は、新天皇の即位の儀式に集まっております。それは、来年秋に予定されている大嘗祭と呼ばれる天皇家の宗教儀式と、国家の行事としての即位式がどのような関係のものとして行われるか、つまり、憲法に定める政教分離の原則が厳守されるか否かということであります。
今年1月9日、日本カトリック司教協議会は、昭和天皇の大喪の礼から新天皇の即位の礼に至るまでの諸儀式において、信教の自由と政教分離の原則を厳守されるよう要望いたしました。やがて行われる新天皇の即位の礼において、憲法に定められた政教分離の原則を徹底させ、大嘗祭と国家儀式としての即位式が混同の余地を残さぬよう、また、大嘗祭に国費が使用されないよう改めて要望するものであります。

日本カトリック司教協議会常任司教委員会委員
白柳誠一 カトリック東京大司教区司教
安田久雄 カトリック大阪大司教区司教
相馬信夫 カトリック名古屋教区司教
佐藤千敬 カトリック仙台教区司教
深堀敏 カトリック高松教区司教
松永久次郎 カトリック長崎教区補佐司教
島本要 カトリック浦和教区司教