1990年2月7日

釈放要請書

大韓民国大統領
廬泰愚殿

私たちは大韓民国において、政治犯として獄中にいる人たちが釈放されるとの報に接し、深い喜びを覚えるものです。
特に私たちは、大韓民国において獄中にある在日韓国人政治犯に深い関心を寄せ続けてきました。昨年3月、私たちは日本キリスト教協議会長竹内謙太郎牧師、日本カトリック正義と平和協議会会長相馬信夫司教など6名の代表が訪韓し、在日韓国人政治犯を含む全政治犯の早期釈放を許亭九法務部長官に要請させていただきました。
在日韓国人はかつて韓国に対する日本の植民地政策下で強制連行などにより来日を余儀なくされた人々およびその子孫にあたります。彼らが祖国に渡り、その地において、政治犯として逮捕され、長く獄中生活を強いられていることに私たちは深い責任と痛みを覚えざるをえません。
老齢の人びと、健康をそこねている人びとのあることを聞かされていますが、彼らの全てが一刻も早く釈放されることを願っております。先刻、徐勝氏の釈放の可能性が報じられ、私たちは大きな喜びに満たされております。
何卒一日も早く、在日韓国人政治犯全員を釈放して下さるよう心からお願い申しあげます。

日本カトリック正義と平和協議会 会長 相馬信夫
事務局長 ユージェン・ジュゲ
日本キリスト教協議会
議長 竹内謙太郎
総幹事 前島宗甫