声明文「イスラエル・ハマスの即時停戦を求めます」
–11月29日、パレスチナ人民連帯国際デーにあたり–

   1977年、国連は、本日11月29日をパレスチナ自決の不可侵の権利のための「パレスチナ人民連帯国際デー」と定めました。しかし残念ながら、その後46年が経つ今、その権利の実現どころか、パレスチナは最悪の人道危機に至っています。

 2023年10月7日、ハマスによるイスラエル奇襲から始まった今回の戦闘は、現在、一時的な休戦状態にあるものの、イスラエル、パレスチナ双方で幼い子どもたちを含む、夥しい数の民間人犠牲者を出すものとなりました。またイスラエルがハマスの拠点と疑う複数の病院施設では、銃撃戦が行われました。新生児までが次々に命を落としました。休戦下の現在も、ガザ地区への水、食料、医療品、電気などの人道支援は追いついておらず、人々は今も飢餓状態に置かれています。

 私たちは、人間が拘禁され、傷つき、殺されることを認めることはできません。イスラエルとパレスチナで起きたすべての殺戮と暴力を強く非難し、亡くなられた全ての方々のために哀悼を捧げ、国際社会に対して、以下のことが実現するよう、具体的な方策を取ることを求めます。

1 イスラエルとハマスの即時停戦のため、関係国を含めた交渉を直ちに開始すること。人質の解放を含むイスラエルとハマスとの話し合いを可能にするのは、休戦ではなく、停戦です。
2 ガザ地区への遅滞ない人道支援物資の搬入、速やかなインフラ回復が行われること。
3 パレスチナの人々に民族自決の不可侵の権利が認められ、人や物資の移動の制限、度重なる軍事攻撃、強制追放などといった、イスラエル建国以来75年にわたるイスラエルのパレスチナに対する植民地主義的な政策に終止符が打たれること。
4 イスラエルとパレスチナが和解し、お互いが共存するためのふさわしい政治体制が再構築されること。そのために、平和を望むイスラエルの人々は、パレスチナの人々との対話に心を開いてください。

私たちは、まことの平和の神の到来を待つ待降節にあたり、祈ります。
人類の父である主よ、
あなたはお造りになったすべての人に、分け隔てなく尊厳をお与えになりました。
わたしたちの心に、兄弟姉妹への愛を目覚めさせてください。
再会、対話、正義、平和の夢を、呼び覚ましてください。
飢えも貧困もなく、暴力も戦争もない、
より健全な社会とより尊厳のある世界を築くために、
わたしたちを奮い立たせてください。

あなたが一人ひとりのうちに蒔かれたよいもの、美しいものに気づき、
一致を深め、共通の課題に取り組み、希望を共有してきずなを強めるために、
わたしたちの心が地上のあらゆる民族と国々に開かれますように。
(教皇フランシスコ「創造主への祈り」回勅『兄弟の皆さん』より)

日本カトリック正義と平和協議会
会長 ウェイン・バーント
担当司教 エドガル・ガクタン
協議会一同